お屠蘇の文化は消えた。

お正月と言えば、私が子供の頃、我が家(実家)では、こたつにミカンが当たり前で、おせちがどど~んと、真ん中に。

親父は着物姿でした。

元旦に家族全員が揃うと、お屠蘇を、小さい盃から順番に、注がれたお屠蘇を3度に分けて飲み干し、次の人に回す儀式でした。


無病長寿を願って飲まれるお屠蘇ですが、その言葉の由来には諸説あります。

「邪気を払い(屠る)、魂を蘇らせる」という説の他、「蘇」という名の悪鬼を屠る(ほふる)という説、さらに「屠殺」と「蘇生」つまり鬼邪気病を追い払って新たな魂を蘇らせるという説も。

住んでいる地域や家庭により解釈は異なりますが、いずれも悪い物を屠って良い物を招き入れるという意味は共通しています。


それを飲んだあとに、色紙に芳名し、今年の抱負を書くのが、我が家のしきたりでした。

その後のお年玉が、一番の楽しみでしたが、昭和時代の象徴のような習慣だったと思います。

残念ながら、私は、家族にそのような習慣は強要しなかった事もあり、このような文化は、消えていったと思います。


お屠蘇の中味には、とても意味があったのです。


・「山椒(サンショウ)」胃を健やかに整える

・「陳皮(チンピ)」血行を良くして冷えの改善が期待できる

・「桂皮(ケイヒ)」または「肉桂(ニッケイ)」発汗や解熱、整腸作用

・「桔梗(キキョウ)」去痰作用や鎮静、鎮痛作用

・「八角(ハッカク)」抗菌作用や健胃作用

・「白朮(ビャクジュツ)」健胃作用や利尿作用

・「防風(ボウフウ)」発汗や解熱作用、抗炎症作用


KUBOTAYAのサイトを参考にさせていただきました。